<米共和党予備選>イリノイ州でロムニー氏快勝

【ワシントン古本陽荘】米大統領選(11月6日)の共和党候補指名争いは20日、中西部イリノイ州で予備選が行われ、即日開票の結果、指名レースでトップに立つ穏健派のミット・ロムニーマサチューセッツ州知事(65)が快勝した。13日の南部アラバマミシシッピ両州予備選でともに3位に終わり、勢いにかげりが見えたが、有権者の構成が多様なイリノイでの勝利は、指名獲得に向けた大きな弾みとなりそうだ。


米CNNテレビによると、開票率94%段階でロムニー氏の得票率は47%で、リック・サントラム上院議員(53)の35%を大きくリード。支持者の前で勝利宣言したロムニー氏は「強い指導者がいないため、私たちの愛するアメリカは漂流してしまっている」とオバマ大統領の批判を繰り広げた。

 ロムニー氏は、大都市シカゴ郊外などで圧倒的な支持を得た一方、サントラム氏は田園部で支持を伸ばした。CNNの出口調査によると、候補者に最も重要な資質を「オバマ大統領に勝てること」と回答した36%の有権者では、73%がロムニー氏に投票。また、最重要政策を「経済」と答えた58%の有権者のうち51%がロムニー氏に投票していた。

 一方で、キリスト教右派福音派」の信者の間では、サントラム氏が47%でトップ。労働者階級の指標とされる「大学に進学していない」層の間でも、サントラム氏が43%で最多だった。

 指名獲得に必要な過半数の代議員数は1144人。イリノイの代議員数は69人だが、今回の予備選で決まるのはうち54人。サントラム氏の陣営に手続きのミスがあり、一部の地域で代議員取得の資格がないため、大半をロムニー氏が獲得する模様だ。