元経営者2人に禁錮16年=最大級のアスベスト訴訟―伊地裁

ジュネーブ時事】スイスの建材メーカー、エタニットがイタリアの事業所で製造していたアスベスト石綿)により、従業員や周辺地域の住民ら約3000人が死亡したとされる石綿被害の責任を問う裁判で、イタリアのトリノ地裁は13日、労働安全対策を怠った罪などに問われた同社の元経営者2人に禁錮16年(求刑禁錮20年)の有罪判決と賠償命令を下した。
 この石綿被害は、イタリアで石綿使用が禁止され、製造が終わった今も続いている。延べ6000人を超える被害者が賠償を求めているとされ、石綿被害をめぐる訴訟では世界最大規模といわれる。
 被告のスイス人とベルギー人元経営者は、2009年の初公判から石綿被害と経営責任の直接的な関係を一貫して否定。判決を不服として上訴する方針だ。