<シリア>「子供の死者400人以上」国連総会で報告

 【ニューヨーク山科武司】国連総会は13日、混迷を続けるシリア情勢について協議し、ピレイ国連人権高等弁務官は「この10日間で300人以上が主に砲撃で殺された。1月末時点で子供の死者数は400人以上。学校が拘束施設や狙撃兵の拠点、軍の基地にされている」と報告した。1万8000人が拘束され、2万5000人の難民が国外流出しているという。

 シリアのジャファリ国連大使は「一部のアラブ諸国がメディア、政治、外交での戦争を仕掛けてシリアの安定を脅かそうとしている。自国民を保護するのはそれぞれの政府の責任だ」と真っ向から反論。シリアに近いロシアのチュルキン大使も「アラブ連盟が提案した国連との合同平和維持団は慎重な検討が必要だ」と述べた。

 国連総会は、シリアのアサド大統領に権限の移譲などを求めたアラブ連盟の行程表を「全面的に支持する」との決議案を近く採択するとみられる。