<クラスター爆弾>24カ国が関係企業への投融資禁止 

 【ブリュッセル斎藤義彦】不発弾による市民の被害が深刻なクラスター爆弾の製造・販売企業などへの投融資をフランス、英国、イタリアなど24カ国が法律や政府の宣言で禁止していることが非政府組織(NGO)の調べで分かった。オランダ財務省の担当者は今年前半に投融資禁止法案を議会に提出することを毎日新聞に明らかにした。クラスター爆弾関連の投融資は08〜11年に約390億ドル(約3兆円)に上っており、NGOは「クラスター爆弾の禁止に実効性を持たせるには投融資を禁止することが重要」と指摘している。

 オランダのNGO「IKVパックス・クリスティ」などによると、イタリア、ベルギー、アイルランドルクセンブルクニュージーランドの5カ国が投融資を禁止する法律を制定している。特にイタリアとニュージーランド禁錮刑や罰金など罰則付きで禁じている。

 英国、フランス、オーストラリアなど19カ国は「クラスター爆弾禁止条約」(10年8月発効)が爆弾の製造や保有への「支援」を禁じていることから、投融資も「支援」に含まれるとの声明を出し、関連投融資の禁止を明確化している。

 オランダ財務省の担当者は毎日新聞の取材に「クラスター爆弾廃絶への一助になる」として投融資禁止法案の骨格を近く示し、今年前半の法制化を目指すと明らかにした。スイス議会も今月下旬に投融資禁止のための兵器関連法改正を審議する。

 NGOによると、08〜11年にクラスター爆弾の主要生産企業8社に対して、116の金融機関が約3兆円の投融資を行っている。だが、近年、「資金源を絶たないとクラスター爆弾を廃絶できない」との認識が各国で広まり、10〜11年に投融資禁止を宣言する国が相次いだ。

 IKVパックス・クリスティの担当者は「クラスター爆弾禁止条約を批准した国の金融機関で投融資を続けている例もある。各国政府が投融資をチェックする態勢を整えるべきだ」と指摘している。邦銀3行も禁止 日本では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンク3行が投融資を禁じる内規を定めている。