フォークランド諸島領有権めぐりデモ

アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスで20日、南大西洋フォークランド諸島の領有権をめぐって対立するイギリスへの抗議デモが行われ、イギリス国旗が燃やされるなどしました。

 デモはアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスにあるイギリス大使館前で行われました。デモの参加者は左派系政治団体の市民らで、イギリス領・フォークランド諸島の領有権を主張していますが、イギリスのキャメロン首相が議会で行ったアルゼンチンについてのこの発言にも反発しました。

 「アルゼンチン人の領有権の主張は、植民地主義以上のものだ」(イギリス・キャメロン首相)

 この発言を受けてデモの参加者は、「イギリスとは外交関係を断絶すべき」と政府に要求、アルゼンチンの副大統領も「南米の国に対して植民地主義という言葉を使うとは恥知らず」などと非難しています。

 フォークランド諸島の領有権をめぐっては、1982年に双方が交戦する「フォークランド紛争」が勃発し、今年はそれから30年の節目の年であるほか、諸島の近くでは油田も開発されています。イギリスは現在フォークランド諸島にいるおよそ1000人の兵士を3000人に増やし、ウィリアム王子を空軍のパイロットとして2月から配属する予定で、今後、双方の間で緊張が高まるおそれがあります。(21日16:07)