パキスタン神学校から生徒54人救出、鎖につながれ監禁

[カラチ 13日 ロイター] パキスタンの警察は12日遅く、同国南部カラチ郊外のイスラム神学校(マドラサ)を家宅捜索し、地下室に監禁されていた生徒54人を救出した。同校が武装勢力と関わりがあるかどうか、現在捜査中だとしている。

警察によると、生徒らは鎖でつながれ、そのほとんどが拷問を受けた形跡がみられるという。見つかった生徒らの年齢は15―45歳。同校の責任者は家宅捜索中に逃走したという。

救出された生徒の1人、Zainullah Khanさん(21)は警察署でロイターに対し、30日間閉じ込められ、その間は一度も太陽を見たことがなかったとし、「ゴムのベルトでたたかれ、物乞いさせられた」と語った。また別の生徒も、棒でたたかれるなどの拷問を受けていたと当時の状況を証言した。

警察幹部が語ったところによると、救出された生徒の多くは麻薬中毒患者で治療のためにマドラサに連れてこられ、「生徒らの大半は親によってマドラサに入れられた」という。鎖につながれ拷問されていたのは、彼らが逃げ出さないようにするためだったとしている。

マドラサパキスタン全土に広がり、普通の学校には貧しくて通えない多くのパキスタン人にとっては学びの場となっているが、一部ではタリバンアルカイダのような武装勢力の兵士を養成しているとの指摘もある。