少女像「遺憾」、武藤大使が撤去要求=「被害者の思い反映」と韓国側

【ソウル時事】ソウルの日本大使館前に韓国の民間団体が従軍慰安婦問題を象徴する少女像を設置したことを受け、武藤正敏駐韓大使は14日午後、外交通商省の朴錫煥第1次官を訪ね、「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会が、慰安婦の碑の建設を強行したことは誠に遺憾である。早期の碑の撤去を要請したい」と求めた。
 これに対し、朴次官は「碑は日本側の責任ある問題解決と名誉回復を求める被害者らの切なる思いが反映したもの。慰安婦問題の究極的解決のための日本側の誠意ある決断を求める」と述べ、当面応じない考えを示唆した。
 朴次官はまた、韓国憲法裁判所の判断を受けて韓国政府が提案している慰安婦問題をめぐる日韓政府間協議に応じるよう求めた。
 少女像は、元慰安婦や支援者が1992年から毎週開いてきた「水曜集会」が1000回を迎えたのを記念して設置された。日本政府は「外交公館の尊厳が傷つけられ、日韓関係に否定的な影響を与える」として設置を許可しないよう求めていたが、韓国政府は事実上黙認した。