ロシア有力誌の編集長解任、選挙不正疑惑でプーチン氏を「侮辱」

[モスクワ 13日 ロイター] ロシアの有力週刊誌「コメルサント・ブラスチ」のコワリスキー編集長が解任された。12日発売の最新号で下院選の不正疑惑をめぐる記事を掲載したことが理由とみられる。

ロシアでは不正疑惑に抗議するデモが各地で行われているが、コワリスキー氏の解任は、プーチン首相が現在でも同国メディアに大きな影響力を持っていることを示している。

コメルサント・ブラスチは最新号で下院選を大きく扱い、表紙にはプーチン首相の写真と「選挙でいかにして不正が行われたか:目撃者の証言」などの見出しを掲載。このほか、英国での在外投票についてのページでは、「くたばれプーチン」と落書きされた投票用紙の写真が載せられた。

コワリスキー氏は13日、ロイターに対し、解任理由が下院選の報道にあると語り、「間違ったことはしていない」と記事掲載を後悔していないと強調。ロシア政府が、同誌発行会社のオーナーである実業家ウスマノフ氏に圧力を与えたとの見方を示した。また、同誌の副編集長も辞任の意向を表明している。

一方、ウスマノフ氏はニュースサイトで、コメルサント・ブラスチがジャーナリスト倫理に反したとし、「卑劣なフーリガン(暴徒)行為と大差がない」と厳しく批判している。

ロシア各地では10日、下院選をめぐる不正疑惑に抗議する数万人がデモを実施。下院選のやり直しなどを要求した。