ロンドン五輪、英国防省が軍隊投入 兵士1万3500人配置

【ロンドン=木村正人】来年7月に開幕するロンドン五輪パラリンピックの警備強化のため、英国防省は15日、英兵士1万3500人に加え、英海軍の揚陸艦2隻と英空軍の最新鋭戦闘機ユーロファイターやヘリコプターを配備すると発表した。

 英政府は当初、警察官1万2000人と民間警備会社の1万人で警備計画を立てていた。しかし、アフガニスタンイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘が続いている上、英国がリビア軍事介入を主導、ロンドン五輪がテロの標的になる恐れが強いため、ハモンド英国防相は「英国はここ数10年で最大の安全保障上のリスクにさらされている」と警備態勢を見直していた。

 発表によると、英兵士5000人が警察を支援、7500人が国内150カ所の競技会場や練習施設を警戒。1000人が後方支援に回る。爆発物の探索や処理を担当するほか、警察や民間警備会社と協力して大規模テロや暴動を未然に防ぐ。

 さらに、非武装の1000人も非常事態に備えて待機するという。

 大会期間中、ロンドン東部グリニッジにヘリコプター揚陸艦オーシャン、イングランド南部ウエーマスにドック型揚陸艦ブルワークを配置。ユーロファイターも周辺空域を警戒する。

 2001年の米中枢同時テロのような航空機を使った攻撃を防ぐため地対空ミサイルの配備も検討されており、警備予算は当初の2億8200万ポンドから5億5300万ポンド(667億円)に倍増した。