<ドイツ>ライン川渇水で川底の不発弾露出

【ベルリン篠田航一】ドイツ全土で記録的な渇水が続き、西部を流れるライン川の水位が下がり、流域のコブレンツやケルン南方のノイウィートでは川底から、第二次大戦中に英軍が投下した不発弾が「出現」した。コブレンツ市当局は12月4日、市民の約半数に当たる4万5000人を緊急避難させ、不発弾を撤去する。

 地元紙によると、コブレンツの不発弾は1.8トン。川岸を散歩していた住民が11月20日、水面近くまで姿を現した爆弾を発見した。起爆装置がほぼ無傷な状態で残っていたため、治安当局が危険と判断した。近くの病院の入院患者約700人のほか刑務所の受刑者なども避難させるという。また24日には、米軍が投下した別の不発弾も近くの川底から発見されており、今後撤去される。

 ライン川モーゼル川が合流するコブレンツは水上交通の要衝だったため、第二次大戦中は英米など連合軍の空襲の標的となり、現在も多数の不発弾が残る。99年にも市民1万5000人が避難する騒ぎがあった。

 ドイツではここ数週間、雨がほとんど降らず、ドイツ気象庁によると国内の11月の降水量は1881年の観測開始以来、最少となる見通しだ。ライン川は最も低い場所で水位が56センチまで低下し、貨物船が積み荷を減らして運航するなど水運に影響が出ている。東部エルベ川も状況は深刻で、ドレスデンでは平均2メートル以上ある水位が84センチまで低下したという。