オバマ米大統領、給与税減税の延長訴える―抗議の声で一時演説中断

 【マンチェスターオバマ米大統領は22日、大統領予備選挙が最初に行われるニューハンプシャー州を訪れ、給与税減税の延長を支持するよう、共和党に呼びかけた。反格差運動支持者の声で演説が一時中断されるハプニングも起きた。

 高校の体育館で行われた演説でオバマ大統領は、減税が延長されなければ、経済不振のなかですでに苦しんでいる中流層への打撃となると訴え、「米国の労働者への増税を進めるような投票をしないで欲しい」と述べた。

 共和党が反オバマのメッセージを展開するなかで、オバマ大統領は共和党からスポットライトを奪おうとしている。演説でも税金に関して共和党との明確な違いを示そうとしていたが、そこで同大統領は反格差運動「ウォール街を占拠せよ」の不満を目の当たりにした。演説を始めようとしたとき、「大統領、4000人以上のデモ参加者が逮捕された。4000人以上だ」という抗議の声により、演説が一時中断されたのだ。

 オバマ大統領は抗議者が話す間、一時演説をやめた。やがて、他の聴衆が抗議の声をかき消そうと、「オバマ!」と叫び始めた。

 財政赤字削減のための超党派特別委員会は、1兆2000億ドルの支出削減に合意できなかったが、民主党は給与税減税と失業給付の延長を合意に盛り込もうとしていた。

 特別委員会の決裂で、ホワイトハウスは給与税減税の期限が切れる今年末前に、別の方法で減税延長を押し進める計画だ。仮にこれが実現できなかった場合は、共和党スケープゴートにしようとしている。

 ホワイトハウスによると、給与税減税が延長されなかった場合、年収5万ドルの世帯で1000ドルの増税となるという。

 共和党は減税延長に全面的に反対しているわけではない。事実、9月にホワイトハウスに送った書簡では、給与税減税の延長は、オバマ大統領による4470億ドルの雇用法案のなかで合意できる可能性のある一要素だとしている。

 オバマ大統領は演説で、「もう一方(共和党)からの話を次に聞くときには、わたしが大統領に就任して以来、国民の税金を引き下げてきたことを彼らに思い出させて欲しい」と語った。