伊、カダフィ一族の資産差し押さえ 銀行や石油大手、サッカー名門の株など1200億円

 【ベルリン=宮下日出男】イタリア当局は28日、リビアのかつての最高指導者で昨秋殺害されたカダフィ大佐と親族がイタリア国内に保有する資産を差し押さえたと発表した。同国主要企業の株など総額は約11億ユーロ(約1200億円)相当に上る。

 ANSA通信などによると、差し押さえ対象となったのは、同国銀行最大手ウニクレディト(約6億ユーロ相当)や石油大手ENI(約4億ユーロ相当)の株のほか、自動車大手フィアット、名門サッカークラブのユベントスの株。島の森林やローマのビルといった不動産、バイクのハーレーダビッドソンも差し押さえられた。

 資産はリビア政府系ファンドが保有。国連の経済制裁で凍結されていたが、ロイター通信によると、大佐らに逮捕状を出していた国際刑事裁判所(ICC)が政権崩壊後、独裁体制の被害者による賠償請求の可能性を考慮し、差し押さえを要請していた。