映画監督アンゲロプロス氏死去=世界的巨匠、バイク事故で―ギリシャ

 【パリ時事】ギリシャからの報道によると、世界的巨匠として知られ数々の映画賞に輝いた同国の映画監督テオ・アンゲロプロス氏が24日、首都アテネに近いピレウス郊外でバイク事故に遭い、脳出血のため搬送先の病院で死亡した。76歳だった。
 アンゲロプロス氏はアテネ生まれ。アテネ大学卒業後、フランスの国立高等映画学院などで学んだ。映画批評活動を経て1968年に初の短編映画、70年に初の長編映画を発表した。「旅芸人の記録」など72年から77年にかけて発表した現代史3部作と呼ばれる3作品で世界的な評価を得た。
 80年の「アレクサンダー大王」でベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞、98年の「永遠と一日」でカンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールを受賞。ナチス・ドイツの侵攻や軍事政権などギリシャ現代史を題材とした作品で人気を博した。
 このほかの主な作品に「シテール島への船出」(84年)、「ユリシーズの瞳」(95年)など。AFP通信などによれば、ギリシャと欧州の債務危機を扱った新作を撮影中だったという。