<エジプト選挙>イスラム系政党が7割 第1党は自由公正党

 【エルサレム花岡洋二】エジプト選管は21日、人民議会(国会、定数508)選挙の最終結果を発表した。30年続いたムバラク独裁政権が昨年2月に崩壊して以来初の国政選挙で、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の「自由公正党」が235議席と、選挙で選ばれる498議席の約47%を獲得して第1党になった。第2党は、より厳格なイスラム原理主義を掲げる「ヌール党」で126議席(約25%)。第5党の穏健派「ワサト党」と合わせてイスラム系政党が7割以上を占めることになった。

 民主化デモを主導した勢力によるリベラル系政党では「新ワフド党」が42議席(約8%)を獲得して第3党になった。別のリベラル系会派「エジプト・ブロック」は34議席で第4位だった。

 選挙は、暫定統治中の軍最高評議会が約束する民政移管に向けた重要な一里塚。初議会は23日に招集される。首相は軍最高評議会が指名。大統領選は6月までに行われることになっている。

 議会は今後、制憲委員会の委員100人を選び、関心は新憲法案をめぐる議論へ移る。制憲委員会が起草する新憲法案では、大統領や軍、議会の権限、宗教と国家の関係や人権にかかわる規定が注目される。起草後は国民投票にはかる。

 議会選の投票は昨年11月から今年1月にかけて3回に分けて行われ、軍最高評議会が指名する10議席を除く498議席が争われた。3分の2は比例代表制、残り3分の1は各選挙区から2人ずつが選ばれた。選管は比例代表分のみ政党別の数字を発表したため、選挙区選出議員との合計は毎日新聞が各政党から聞き取って集計した。