金正男氏、父の死去当局発表で知る…葬儀名簿に名前なし

 【ソウル支局】韓国紙、中央日報は26日、北朝鮮金正日総書記の死亡について、長男でマカオ在住の金正男氏が「19日正午の北朝鮮当局の発表まで知らされたいなかった」と報じた。マカオの企業関係者の話として伝えた。

 金正男氏は、後継者で新指導者の金正恩氏の異母兄。同紙によると、金正男氏は金総書記の死亡が発表された19日に企業関係者と夕食の約束をしていたが、死亡発表直後、突然、電話でキャンセルしてきたという。悔やみの言葉を伝えると正男氏は「ありがとう。余裕がなくて悲しい」と答えたという。

 この関係者は、正男氏が父の死亡について事前に知らなかったことは確実だと話した。父の死に際して金正男氏は、マカオや香港の知人からメールで弔意を受けたという。

 平壌では28日に金総書記の葬儀が行われるが、232人の国家葬儀委員会の名簿に正男氏の名前は含まれていない。同紙は、「金正男氏が金総書記の死について知らされなかったのは軍部の反対があったためだ」との現地関係者の話を伝えている。

 正男氏は普段から「北朝鮮にはいろいろ問題があるが、その中で最も深刻なのは軍人に定年がないことだ。軍の改革ができない」と軍に対する批判をしているという。