“総書記 死去半日前に指示”

北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンイル総書記が死去したと発表されている日時の、半日前に最後の指示を出し、死去の翌日には、後継者のジョンウン氏が同じ内容で最初の指示を出したと伝え、ジョンウン氏がキム総書記の遺訓に沿って統治を行っているとの印象を打ち出そうというねらいとみられます。

北朝鮮朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、25日の論説で、キム・ジョンイル総書記が死去したと発表されている17日朝の、およそ半日前の16日午後9時すぎに、ピョンヤン市民にニシンとタラを供給するよう指示する文書をキム総書記が出したことを伝えました。また、論説は、キム総書記の死去の翌日に、ジョンウン氏が初めて裁可した文書として、同じ内容の指示を出したとしています。キム総書記が死去した日時については、実際には北朝鮮の発表よりももっと早かったのではないかという疑問が韓国などから投げかけられており、論説はこうした指摘に反論するとともに、キム総書記が死の直前まで国民のために尽力していたと強調しようとしたものとみられます。さらに、ジョンウン氏がキム総書記の遺訓に沿って統治を行っているとの印象を打ち出し、後継者としての正統性を高めようというねらいがあるとみられます。