コンゴ 選挙後の政治情勢に懸念

アフリカ中部のコンゴ民主共和国では28日、大規模な内戦後2度目となる大統領と議会の選挙が行われましたが、投票所や投票用紙を運ぶトラックが相次いで武装勢力に襲撃されて死者が出るなどの混乱が起きていて、選挙後の政治情勢の不安定化につながる懸念も出ています。

コンゴ民主共和国では1998年から5年間、周辺の6か国も関与した大規模な内戦が起き、およそ400万人が死亡しましたが、その後和平プロセスが進み、今回の大統領選挙と議会選挙はいずれも内戦終結後2度目となります。投票が行われた28日、東部の投票所では武装勢力による襲撃を受け、駆けつけた治安部隊との間で銃撃戦となって、武装勢力の3人が射殺されたほか、南東部では投票用紙を運んでいたトラックが襲撃され、死者が出ているということです。現地では、26日から28日にかけて首都キンシャサで現職のカビラ大統領と、対立候補で野党党首のそれぞれの支持者が衝突し、少なくとも2人の死者が出るなど混乱が続いています。今回の選挙では、カビラ大統領が優勢とみられていますが、野党の支持者からは、投票所の場所が直前に変更され、投票できない人が出たなどとして、選挙が公正に行われていないという不満の声が上がっています。選挙の暫定結果は来月6日に発表されることになっていますが、選挙を巡る混乱が、これからの政治情勢の不安定化につながる懸念も出ています。