イスラエルはイラン攻撃「決断していない」 米大統領、原油価格に「破壊的」な影響と懸念

 【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は5日、NBCテレビのインタビューで、イスラエルはまだ、イランの核施設攻撃を「決断していないと考えている」と語り、「できる限り外交的」に解決するため、米国はイスラエルと歩調を合わせていると強調した。

 オバマ大統領は、米国が軍事攻撃も含め「あらゆる選択肢を排除しない」との立場を示したが、これまで通り、国際社会が一体となった「外交的解決」を優先させる姿勢を繰り返した。

 ペルシャ湾での軍事行動は原油価格に「破壊的」な影響をもたらすと指摘。駐留米軍約9万人が展開するイランの隣国、アフガニスタンにも問題が波及する可能性も示唆し、攻撃の効果を疑問視した。

 また、イスラエルがイラン攻撃を米国に事前に伝達すると思うかとの質問には「これまで以上に軍事面や機密情報をやりとりしている」と述べるにとどめ、直接的な回答を避けた。

 イランによる米国への報復についても「現時点で、そのような意図や能力を示す証拠は見当たらない」と語った。

 イスラエルのイラン核施設攻撃をめぐっては、今年4〜6月にも踏み切ると、米国のパネッタ国防長官が分析していると米紙ワシントン・ポストが報じた。

 記事によると、イスラエルは「短期間の戦争」を想定し、限定的な攻撃をイランに加えた上で、国連の仲介で停戦に至るシナリオを描いているとされる。