エジプト民主化デモから1年、進まない改革に失望の声も

カイロ(CNN) エジプトでムバラク政権を崩壊させた民主化要求デモの開始から25日で1年を迎え、デモの中心地だった首都カイロのタハリール広場は軍の統治に抗議する数千人の市民らで再び埋め尽くされた。参加者からは、ムバラク政権を倒した以外はほとんど何も達成されていないと失望の声も上がっている。

広場に集まったデモ隊は軍の指導部を批判する横断幕を掲げ、シュプレヒコールを上げた。治安部隊との衝突を警戒して緊張が走る場面もあった。

これまでの1年について、ある教員は「昨年の今ごろは全エジプト国民がムバラク政権に縛られ、その独裁に対して声を上げた者は高い代償を払わされていた」「確かに革命は終わっていないかもしれないが、大きな進展はあった。それは誰も否定できない」と振り返った。

2011年1月にチュニジアで始まった民主化要求デモは、エジプト、リビア、イエメン、シリアなどに飛び火し、北アフリカと中東の各国で長期政権の崩壊につながった。

エジプトでは民主的な選挙で選ばれた人民議会が23日に初招集された。しかしムバラク政権崩壊後の空白を埋めるため暫定統治に乗り出した軍が依然として多くの実権を握っており、改革が進まないことに苛立った市民らによるデモが続いている。