危ない豊胸バッグ、創業者拘束=過失致死傷容疑で捜査―仏

【パリ時事】2010年に倒産したフランスのポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社が製造した豊胸用シリコーンバッグが体内で破れる恐れがあるとされる問題で、同社創業者のジャンクロード・マス元社長(72)が26日、南仏バール県で治安当局に拘束された。司法筋の話としてAFP通信が報じた。
 この豊胸バッグをめぐっては、健康被害を受けたなどとする利用者から2500件以上の訴えが起こされ、マルセイユ検察が昨年12月、過失致死傷容疑で捜査に着手。仏当局によれば、昨年末時点で利用者20人が乳がんなどを発症していたが、バッグとの因果関係は分かっていない。
 PIP社は医療用でなく工業用のシリコーンを使って豊胸バッグを製造していたとされ、輸出分を含め、全世界で40万人以上が使用した可能性がある。フランスやドイツの保健当局が、利用者にバッグ除去手術を受けるよう呼び掛けていた。