運転中の携帯使用、全面禁止を提言 米運輸安全委

ワシントン(CNN) 米国家運輸安全委員会(NTSB)は13日、運転中の携帯通信機器の使用を全面的に禁止すべきだとの提言を発表した。

NTSBは10年前から、初心者やスクールバス、商用トラックの運転手らによる携帯機器の使用禁止を順次提言してきたが、今回は対象を全ドライバーに広げた。各州が提言に従って法制化した場合、車両運転中の通話や文字メッセージ送信は緊急時を除き、すべて違法となる。手に持つ必要のない「ハンズフリー」の機器も含まれるが、自動車メーカーが搭載している装置については使用を認めるとしている。

運転中の携帯使用については、米道路交通安全局(NHTSA)が先週、全米で約1350万人のドライバーが走行中に携帯電話を操作し、交通事故による昨年の死者のうち392人はドライバーの不注意が原因で亡くなったなどとする研究結果を報告していた。

NTSBによると、米国では現在、35州で運転中の文字メッセージ送信、30州で初心者による携帯電話使用がそれぞれ禁止され、10州で手持ちの携帯電話の使用が全面的に禁止されている。

NTSBのデボラ・ハースマン委員長は、携帯電話の禁止には「不便だ」「連絡が取れなくなる」との不満もあるが、事故で命を落としたらどちらも意味がなくなると強調した。