バター品薄で密輸騒ぎも、流行のダイエットも一因 ノルウェー

オスロ(CNN) クリスマスを控えた北欧ノルウェーでバターが品薄状態になり、価格が急騰している。最近では、バターをドイツからノルウェーに密輸しようとしたとしてロシア人が拘束される事態も起きた。

業界関係者によると、炭水化物の摂取を減らすダイエットの流行や自然食指向、家庭料理指向の高まりでバターの需要が増え、品薄状態に追い打ちをかけているという。同国は今年の夏の天候不順で飼料の品質が低下し、牛乳の生産高が大きく落ち込んでいた。

政府は乳製品の輸入関税を引き下げて対応を図っているが、小売店の多くがバターの販売制限を実施。インターネットのオークションサイトでは、500グラムのバターを通常の30倍の値段で出品する売り手も現れた。

12日にはバター90キロをドイツからノルウェーに密輸しようとしたとしてロシア人が拘束された。食品安全当局は消費者に対し、見知らぬ相手からバターを買わないよう呼びかけている。

海を挟んだ隣国デンマークの空港やフェリーターミナルではノルウェーからの旅行者向けに、免税店でバターの販売を始めた。両国のテレビは、ノルウェーの首都オスロデンマークの人たちが2000キロ分のバターを通行人に無料で配る様子を生中継で伝えている。