<高速鉄道脱線事故>主因は「人と管理の問題」、従来の「信号設備の欠陥」説を覆す―中国

2011年11月20日、中国浙江省温州で7月に起きた高速鉄道事故の原因について、事故調査専門家グループの王夢恕(ワン・モンシュー)副リーダーが「管理体制の不備」と述べ、従来の「信号設備に設計上の重大な欠陥があった」との説を覆した。京華時報が伝えた。

「調査の結果、信号設備には何の問題もなかったと言って良い。最大の原因は人と管理の問題だった」「同じ設備は別の区間でも使っているが、故障など起こしていない。全体的な管理体制と心構えに問題があった」―。事故から120日。王氏は調査報告の提出期限にあたるこの日、事故原因を「管理体制の不備」と述べ、従来の「信号設備の欠陥」説を覆した。

王氏ら専門家グループは事故車両の残骸、事故前後のやり取りが記録されているブラックボックスや無線通信設備などをすべて解析したほか、事故の再現実験も行い、原因の調査を進めてきた。王氏は「きちんとした管理がされていれば、あのような惨劇は起きなかった」とした上で、「今後は責任の所在を明らかにするため、管理体制や事故当時の担当者に対する調査が行われる」と明かした。

事故当日の「7分間に100回以上の落雷」というのは過去最多だが、王氏は「日頃から設備の手入れをきちんと行っていれば、故障には至らなかった」と指摘、事故原因は「技術的な問題ではなく、人為的な問題」であることを強調した。事故は7月23日に発生、29日時点で死者40人、負傷者200人以上と発表されている。(翻訳・編集/NN)