首相「首都全域で浸水の恐れ」=ドンムアン空港、閉鎖―タイ

バンコク時事】タイを襲った大洪水で、首都バンコク北部にあるドンムアン空港は25日、敷地内への浸水が始まり、滑走路を11月1日まで閉鎖することを決めた。空港内にある政府の洪水対策本部の機能は当面維持するが、空港に避難していた市民の退避が始まった。一方、インラック首相は25日夜、テレビを通じて演説し、バンコク全域で浸水被害が発生する可能性に言及した。
 首相は「最悪の場合、堤防が決壊するなどすれば、バンコク全域で10センチ〜1.5メートル浸水する恐れがある」と語った。
 政府は同日の閣議で、大潮で海面が上昇してチャオプラヤ川が氾濫する恐れのある27〜31日を休日とすることを決定した。
 ノックエアとオリエント・タイ航空はドンムアン空港発着便の運航を中止。空港付近の道路は水位がさらに上昇し、地元テレビによると、駐機場付近に大量の水が流れ込んだ。ドンムアン空港は現在、国内線専用として使われている。バンコク近郊にある国際空港のスワンナプーム空港は洪水被害を受けていない。
 一方、バンコクのスクムパン知事は24日深夜、首都中心部に近い西部のバンプラット地区で被害を受ける可能性の高い住民に避難を指示した。